LOX
index
動脈硬化が進行して発症する脳梗塞や心筋梗塞に対する意識調査の結果、約57%の人が現在不安に思っており、その予防として、実に70%以上の人が日々の生活において、禁煙や禁酒、食べ過ぎ防止、塩分控えめ、適切な運動など、何かしらの対策を行っていると回答をしています。また、脳梗塞や心筋梗塞に対しての不安を年代別、男女別に細かく分析してみても、不安に思っている割合に大きな偏りは現れず、そのことからも健康や予防医療への意識の高さは、日本人全般的に見られる傾向と言えます。
しかし、実際に脳ドックを受診したことがある人はアンケート回答者全体の約13%しかおらず、特に「脳梗塞・心筋梗塞に対して不安に思っている人」や「健康意識が高い人」に限った場合においても脳ドックを受診したことがある人は、約15%しかいないことから、まだまだ脳ドックは身近な存在とは言えません。
しかし、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを血液検査で測れるのであれば、約84%の人が調べたいと回答しており、仮に通常の検査費用とは別に1万円程度の追加費用が掛かったとしても約70%の人が脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを血液検査によって、調べたいと回答されています。血液検査によって、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが測れることを知っている人は、まだまだ全体の約10%しかいないのが現状ではありますが、検査の認知度が次第に高まっていくことによって、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを血液検査で測定するニーズも高まっていくと推測されます。
●LOX-index®とは
「LOX-index®は、脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを評価する最新の指標です。日本国内で行われた、約2,500名を約11年追跡した研究成果がベースになっております。この研究から、sLOX-1(可溶性LOX-1:血中に放出されたLOX-1)とLAB(LOX-1 ligand containing ApoB)から得られる解析値が、今後10年以内の脳梗塞・心筋梗塞発症率に大きく関与する事がわかりました。脳梗塞発症率で約3倍、心血管疾患発症率で約2倍となり、これら2つの疾患の発症リスク評価検査としては、唯一の検査です。
動脈硬化は、血管内皮細胞の機能障害が出発点だと言われています。LOX-1は血管内皮細胞に存在する変性LDLのレセプターです。LOX-1と変性LDLが結合すると血管内皮細胞に慢性的な炎症状態が生じ、これが動脈硬化の原因であることが分かりました。
LOX-index®は、血液中の変性LDLと血中に放出されるsLOX-1(soluble
LOX-1)から測定し算出する指標で、血管壁の硬化状況・硬化リスクを把握することが可能です。
先に述べたように、LOX-index®は動脈硬化の初期段階を反映しています。その為、今までの血液検査や画像健診で捉えきれなかった血管の状態を知ることが可能になりました。動脈硬化に起因する疾患は、発症までこれといった症状が出ない事が予防及び治療を遅らせる原因となっていましたが、LOX-index®は、動脈硬化の状態を数値化する事で、予防への意識付け、発症リスクの予測という点で、予防医療の進展に有効であると考えられます。
動脈硬化のリスクマーカーとして、これまでLDLコレステロールが一般的でしたが、心疾患と相関性がある事は知られているものの、脳血管障害との相関性は得られていませんでした。また、心疾患患者の約3割はLDLコレステロールが基準値以下で発症しているとの報告もあり、リスクマーカーとしては十分とはいえず、そこでLOX-index®はその不足部分を補うことができる検査といえます。

MIRAI MEDICAL CLINIC